茶六別館 食事処[四季膳花の]-リノベーション-

創業三〇〇年、十一代目茶谷六治が職人仕事の粋を結晶させ創り上げた数寄屋造りの老舗料理旅館。その館内にある食事処[四季膳花の]。

今回のリノベーションで、ライトアップされた庭園を眺めながら食事ができる半個室のテーブル座席が5部屋、

化粧硝子を左右に据付けされたテーブル座席が1部屋、名栗フローリングの心地よい肌触りで木のぬくもりを感じる小上がり座敷が2部屋。

と四季折々の創作郷土料理をよりゆったりと堪能できる食事処へと生まれ変わりました。

  • 設計  :株式会社スーパーマニアック
  • 所在地 :京都府宮津市島崎
  • 用途  :飲食店
  • 構造規模:木造二階建
  • 施工  :㈱大村工務店
  • 竣工  :2022年
  • 工事概要:店舗改装工事

お食事処に入ってすぐ正面には特注の化粧硝子があり、その化粧硝子下部に暖色系LEDテープライトを埋め込み、

化粧硝子を下から照らすことにより高級旅館らしいエレガントな雰囲気を演出しております。

またお食事処全フロアの壁には調湿効果など高機能な効果を発揮する〈健康塗り壁材ダイアトーマス〉にすさを入れコテ塗仕上げにすることにより、

和風な佇まいでフロア全体の空気を綺麗にし快適な空間に。

通路と各部屋への入り口にはウェーブ状にデザインした壁を設置。

改装前に仕切りガラスとして使用されていた化粧硝子を切断加工し壁の中央に埋め込み、ユニバーサルダウンライトで照らしております。

また仕切り壁には化粧柱として晒竹を設置。通路天井の折り上げ天井部は間接照明で通路を柔らかく照らし出し、和モダンな空間を演出しております。

通路奥の配膳室には、既存の配膳カートに合わせた寸法で造作された配膳棚や料理をガスコンロで温めてすぐにお客様に提供出来るスペースを確保。

火や水を取り扱う場所にはケイカル板を施工後に御影石タイルを貼り、ビジュアルを損なう事なく安全性と実用性に配慮し施工しております。

座席1は化粧硝子に囲われた落ち着きある上品な空間に。

座席2~6は2~6人掛けのお部屋があり、どの部屋からも庭園を見渡しながらよりゆったりと食事を楽しめる特別な空間へ。

またテーブルは各部屋に合わせた寸法でナラ突板を設置製作し、木のぬくもりを感じる仕上がりとなっております。

小上がり座敷の床には意匠性の高い名栗フローリング材を施工。

照明には陶器製の信楽焼ペンダント照明を吊り下げ、ユニバーサルダウンライトで壁面を照らしモダンな雰囲気に。

数寄屋造りの旅館らしい純和風な佇まいを残しつつ、現代の照明技術により和モダンな空間にデザインされました。

庭園には新たに暖色系スポットライトを点在させ明暗差を工夫しライティングすることにより、風情のある夜の庭園へと生まれ変わりました。